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「ウォーター、プリーズ」と言っても通じない!
皆さんはそんな経験はありませんか?
「ウォーター、プリーズ」と言ったけど、聞き返されたという経験を
持つ人が私の周りの日本人の方の中では、少なくありません。
レストランで水を注文する時:
「水という人間が最も必要とする基本的な単語なのに!」
飛行機の機内サービス:
「旅に出た途端、いきなり英語の壁を感じてヘコんだ!」
Waterの発音記号はこちらのサイトでチェックしてください:
http://dictionary.reference.com/browse/water
このwaterという単語、日本人の発音が最も通じにくい単語のうちの一つなのです。
難しい理由の1つは、英語の母音と日本語の母音の違いにあります。
日本語の母音アイウエオのうち、英語の母音と全く同じなのは、
一つもありません。
この図を見てください。

この図はVowel Chartと言うのですが、
英語の母音と日本語の母音を図式化したものです。
音声学上の細かい説明は省略しますが、簡単に言うと
1.ヨコ軸 = 舌のどの部分を最も持ち上げるか
2.タテ軸 = 舌をどの高さまで上げるか≒口をどれくらい開くか閉じるか
3.隣接 = 口を丸くすぼめるかどうかの違い
という3つの軸で母音を定義したものです。
日本語の母音「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」の位置を確認してください。
「イ」は[i]と重なっているとみなしてもいいですが、実は長短が違います。
それ以外の母音「ア」「ウ」「エ」「オ」は英語のどの母音とも全く重なりません。
Waterの1番目の母音は、日本語の母音「ア」とはかなり違う音です。
「オ」にもまだ遠い。
Waterの2番目の母音も日本語の母音「ア」にも「オ」にも「エ」からも遠い音なのです。
このように、「water」には
日本語の母音からはかなり遠い母音が2つも連続してあり、単語も短いので、
日本人の発音が通じにくいのです。
実は、
「ウォーター、プリーズ」と言っても通じにくい理由は、もう一つあります。
American Accent とBritish Accent の違いです。
「ウォーター、プリーズ」が通じないという経験は、
英国を旅行した日本人よりも北米を旅行した日本人の方に多いのではないでしょうか?
British Accentではwaterの[t]の音は発音します。
なので、「ウォーター」と言っても通じることもあります。
より近いのは「ウォタ」と語尾を伸ばさずに発音することです。
一方、American Accentではwaterの[t]の音はほとんど発音しません。
発音するとしても、非常にソフトに発するだけです。
しかも、[t]の音は「タ」よりも「ラ」に近い。
「ウォーター」というよりも、「ウォラ」と発音するほうがより近いのです。
だから、北米を旅行する場合にはより注意が必要となります。
「ウォーター、プリーズ」と発音しても、通じない場合があります。
むしろ、「ウォラ、プリーズ」と言ったほうが通じやすいのです。
多くの日本人にとって、British AccentやAmerican Accentの違いは
「知ったこっちゃないよ」というのが実情でしょう。
なので、運悪く、北米語圏で「ウォーター、プリーズ」といってしまうと通じない
というケースがあるのだと思います。
以上、waterを一例とした音声学入門でした。
(ご注意)
説明の便宜上、「ウォラ、プリーズ」などのカタカナ英語で表記しましたが、
カタカナ英語を元に英語を勉強するのは避けてください!
カタカナ英語はとっつきやすいというメリットもありますが、
上級レベルを目指す読者の方々は、
カタカナに頼らず、IPA Vowel Chartやネイティブスピーカーの実際の発音をもとに
本来正しい発音を身につける努力を惜しまないで欲しいと思います。
「英語の母音と日本語の母音は全く違う」と強く意識してください。
Vowel Chart(音つき)で英語の母音の発音を聴くことができます。
上級レベルを目指すレベルステップとしては
1. IPA Vowel Chartを眺め、「イの音以外はカスってさえいない」と強く自覚する。
3. リスニング時に母音の違いを意識して聞き分ける意識をする。
4. 必ず自分で一度は発音してみる。
5. 実戦で使う。 ←これが最も重要です!
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今日の十戒 (モーゼ風)
◆「イの音以外はカスってさえいない」と自覚し、意識し、練習し、実践するべし。
◆American Airlinesでは
「ウォーター」ということなかれ。
「ウォラ」というべし。
◆British Airwaysでは「ウォタ」でかまわぬ。
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※ どうしても発音に自信がない時は
「A glass of water,please」などwaterを連想させる語句を並べるという現実的な方法もあります。
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ハルペン ジャックさん、始めまして。
中学で英語に出会ってから、30余年、このブログに書いておられた、"-ter" の音は、ター よりも、むしろ ラー に近いという事に、ずっと悩んでおりました。悩んでいたというより、"-ter" と、"-ler" が、同じに聞こえるのです。
発音する場合は、どう区別して発音すれば良いのかと、いろんなネーティブの人や、英会話の先生にも聞いたのですが、答えをいただけたことがなかったです。ネーティブの人には、気づくほどの問題ではないのかもしれませんが、こうして文字にされておられることで、胸のつかえが取れたようで、嬉しく思いました。
宿泊業をしていますが、お客さんが、"wallet" と言われて、グラスに水を入れて差し出した("water")なんて失敗は山ほどあります。wallet は、貴重品として預かっていたんですが、水が出てきた時は、お客さんはイライラしただろうなと思います。