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テレビシリーズのほうはもう終わってしばらくになりますが、デリア・スミスが出版した最新のお料理の本および、そのテレビシリーズ、Delia's How to Cheat at Cooking は大きな反響を呼びました。なにしろ、あのデリア・スミスが?と目を疑うような出来合いや半加工食品を使ったレシピばかり。
タイムズ紙のコラムニスト、Caitlin Moranはシェイムレスの主人公、フランク・ギャラハーが料理すると言ったらこんな風な料理ではないか、とまで書いています。なにしろ缶詰の牛肉、冷凍してあるマッシュポテト、おろした状態で売られているチーズなどを使ったシェファーズパイ、なんていうレシピが載っているのですから。
ちなみにシェイムレス、と言うのはマンチェスターのサルフォード地区に住むフランクとその家族や友人たちの暮らしっぷりを描いたコメディー番組。主人公のフランクはイエスキリストを思わせる風貌ですが、アルコール中毒ののんだくれ。ギャングやらドラッグやら未婚の母やら、現実そのままだろうと思われる登場人物やら話の設定ですが、随所にユーモアがあふれ、ついつい笑ってしまう一風替わったコメディでイギリスでは人気を呼んでいます。話が脱線しましたが、彼女の記事はこちら。デリアのこのシリーズがなぜここまで悪く言われる対象となったか、なかなか鋭い見解を披露しています。
TVシェフが美しい料理を作り、スーパーでもいろいろな食材が手に入るようになったとはいえ、平均的なイギリス人が家庭で作る毎日の料理、と言うのはどんなものなのでしょうか。子供たちのお友達のお母さんなどと話をしていて察するに、やっぱり平均的なところは私が日本で食べて育った食事ほど手がかかっていないのでは、と思われます。暖めればいいだけの出来合いの品や、缶詰めのベイクドビーンズにパスタ。瓶詰めソースに冷凍食品。そんなものが幅を占めているのでは?
5年ほど前に引退宣言をしたデリアが結局まだやりたいことがある、と戻ってきた理由もその辺にあると言うのもうなずけます。興味のある方はSAGAという雑誌に載っていたインタビュー記事にいろいろと書いてあるのでお読みください。
個人的にはテレビシリーズ、6回中の5回見て、なかなか気に入っていました。ぜひ作ってみたい!と思うレシピこそそんなにたくさんありませんでしたが、知らないだけでスーパーで手に入る半加工ものや冷凍物の存在を知るいい機会になりました。それに彼女の人となりがうかがい知れる部分が毎回盛り込まれていたのも私にとっては大変興味深かったです。彼女はカトリックで、これだけ良く知られている人にしては珍しく彼女の信ずるところを公言してはばからない人だということもこのシリーズで始めて知りました。SAGAのインタビュー記事にも、そのあたりに触れたことが書いてありました。中でもこのせりふが印象に残っています。"Everyone says about me that my recipes work, well, I know that God works" (皆さん、私のレシピは上手くいくっておっしゃいます。で、私にとって、神様はそういうふうなんです。)
私がクリスチャンだからかもしれませんが、こんな風に信ずるところをはっきりいい、自分が与えられた使命にまっしぐらな人だと言うことに感心してしまいました。必要だと思えば卵のゆで方から、缶詰の肉を使ったレシピまでテレビの料理番組で紹介してしまうデリア。イギリスのみんなが料理を楽しめるように!と思ってなりふり構わない感じがして、いい人だなー、と思わずにはいられません。
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