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青島に引っ越す前に住んでいたのはビクトリア時代の大きな建物を改造して10軒ほどのアパートに作り直したところでした。どういうわけかマレーシアからの家族が多く住んでおり、夕方建物の中に入るとblachanを炒める匂いが鼻をついたものでした。
blachanは小蝦で作ったペースト。ちょっと発酵させてあるのではないかと思うのですが、大抵ブロック状になって売っています。これを砕いてからよくよく乾煎りして、香りと風味を出してお料理に使います。人によって好き嫌いのはっきりしたかなりキツイ匂いですが、マレーシア料理には必要不可欠。『イギリスでは買える?』とマレーシアに帰るたびにいろいろな人に聞かれます。
好き嫌いがあって、きつい匂いの代名詞のように使われても、やっぱりご飯時のいいにおいという印象を持っています。鰹節でおだしをとる時のあの匂いほどではないにしても、やっぱりご飯時の匂い。
四川省出身のお友達の家で嗅ぐご馳走準備中の匂い、といったら唐辛子や花椒を炒める匂いでしょう。花椒は中国の山椒のようですが、日本の山椒とは似て非なるものなんだそうです。美味しいお料理を予感させるいい匂いではありますが、要注意。強火でこういったものを炒めて油を引き出しているときにうっかり間違って台所で大きく息を吸い込もうものなら咳が止まらなくなります。
こんなことを思い出したのも昨日の新聞に載っていた記事を読んで。見出しはShoppers dive for cover as chef's eye-watering chilli sauce causes a terror alert ロンドンはソーホー街で化学薬品を使ったテロリストの攻撃か!?と危ぶまれ、3時間かけて元を探した結果、タイレストランの厨房で調理していた約4キロの乾燥唐辛子が元凶だったとの記事です。当事者はさぞや心配だったことでしょうが、なにやら四川省の友人の台所の匂いやblachanを炒める匂いを思い出して笑ってしまいました。
揚げ蝦煎餅と一緒に出すNam prik paoと言うソース6か月分を調理していたところだそうで、17年経営していてこんなことになったのは初めて、と言う経営者の弁も載っていました。このソースの材料と作り方も載っていたのですが、それにやっぱりblachanと思しき蝦のペーストが使われています。東南アジアのどの国でも使っているのかもしれません。
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