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先週の木曜日、イギリスのお天気は全国的に大嵐でした。『17年ぶりの』ということでしたが、マンチェスターやロンドンを含め、都心でも倒れた壁の下敷きになって亡くなった人もあり、全国での死亡者は10人を上回った模様です。
木曜日のニュースでは、各地の被害のほかにもデブン沖を運行していた貨物船ナポリ号の難破にともなう乗組員26名の救助活動の模様も報道されました。インタビューを受けていた中には空軍のスペシャリストだったと思いましたが、休暇を返上して参加した人も。これは、ヘリコプターからたらしたロープに身をつなぎ、荒れ狂う波間に漂う人を助けるのが専門なのでした。
さて、このナポリ号、今週になってまた話題なりました。先週の木曜日から懸念されていた環境汚染の状況もさることながら、つまれていたコンテナが、近くの海岸に打ち上げられ始めたのがそのきっかけです。
私が始めて耳にしたのは月曜日の朝7時のニュースでした。その後、ニュースの度に1日中話題に上っていました。普段からお散歩でいくといったような人のみならず、何かめぼしいものがあったら拾おう、という人で賑わい、真夏のコーンウォールもかくや、といった人出が夜中になっても続いていた。漂着物の方も化粧品、ペットフード、靴はてはBMWのオートバイまでさまざま。トラクターに乗って参上したツワモノもいました。
火曜日のGuardian紙によると、法律では『漂着物としてでも拾った場合、正式に警察に届け出た上、12ヶ月間持ち主が現れなかった場合、拾った人に所有権が与えられる。』のだそうです。あまりの事の大きさに、月曜日は警察も管理しきれず希望者、つまりは比較的良心的な人にのみ届出の用紙を渡すのが精一杯だった様子。
商品として売られるはずだったものだけでなく、個人の引越しの荷物も中にはあって、Telegraph紙には貨物をケープタウンに送るに当たってこの災難にみまわれたスウェーデン女性の『信じられない、私たちの持ち物にあんなことをするんだなんて。』とのコメントが載ったそうです。
それにしても、『海水につかったらだめになるんだし。』などと言い訳して、漂着しているコンテナをこじ開け、勝手に好きなものだけとって、その後はほうりっぱなし。残されたものが潮の流れに乗って又海に漂っていってしまったというコンテナの中身も一つや二つ分だけではなさそう。これで家計が助かると、ペットフードや紙おむつを抱えて行った人もいれば、eBayで売るんだ、と公言してはばからない輩もいました。
『マレーシアや中国の人だけじゃないんだねえ、こういうことをするのは。』と夫は妙なところで感心していましたが、日本だったらどうだろうか、とか『これがデブンの海岸ではなくて、我が家から1時間くらいのところだったらこの人はどうしていたのかしら。』とかいろいろな思いが胸をよぎります。一番気になるのは『私だったらどうしただろう?』というところでしょうか。
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漂着した流木やシーグラスなら素敵だけれど…。商品は(損害も勿論気の毒ではあるけれど)ともかく、お引越しの荷物はその家族の思い出も詰まっているのに、当事者の気持ちを察するとやり切れませんね。
日本では連日凄惨な事件が今までにも増して続き、ニュースを見ていると感覚が麻痺してきます。テレビを観ているだけなのに、多かれ少なかれ悪い方へ気持ちや考え方が影響してくるようです。
事件ではなくとも、教育テレビで結構名の通った人たちが(目的はよい事だったのかもしれないけれど)“こんな人のこれが嫌!”みたいな事ばかり言い合っている番組をチラッと見たけれど、こちらの気持ちが荒みそうで(またはそうそう、いるいる!なんて同調してしまいそうで)慌てて民放に変えました。そこでは100歳以上のお年寄りたちに何かのアンケートを採っていたけれど、みなさんいい笑顔。いっぺんに気持ちが明るく、優しくなれてやれやれ。
いい事ばかりを見て、嫌な事、恐ろしい事は見て見ない振りするなんて事は出来ないから、正しく情報を掴む事は大事だけれど日々起こる事を見ていると、益々おかしな人が増えても当然と思われる世の中ですね。人の気持ちを思い遣る余裕だけは失くしたくないものです。