|
サウジアラビアに住む ミハッドさんはアフガニスタン人。
一文字の眉が その端でひげ、ひげから 胸毛へと続いている。
奥様はトルコ人で ご夫婦とも 寝る前にトルコのエスプレッソコーヒーを一人4杯飲まなければ
一晩中眠れない というカフェイン依存症。
私の会社のお客さんで 1年に2回は香港・中国へ出張にくる。お見えになる度に 仕事の後は
一緒にお食事をするのだが イスラム教徒のミハッドさんは食べ物にうるさい。
イスラム教では豚肉以外は何を食べてもよいのだが 肉類などはさばく前にお祈りを捧げ
血を抜かなければならないので、イスラム教徒でないコックさんが調理した肉、卵などを食しては
いけないのだ。
その上 彼は 食べたことのないものは絶対食べない ので注文するのはいつも魚の塩焼きや
卵を使わないフライ かベジタリアンピザ。昨日は豆腐を出してみたがやっぱり食べなかった。
いつも出張に来る度 ツナのトマトスープ煮の缶詰を持参していて、口に合うものが何もないときは
パンにそれをはさんで食べる。
そんなミハッドさんの話す英語はとてもアラビア訛りが濃厚だ。 どれくらい濃厚かというと
豚肉の脂身を天ぷらにして酢豚のソースを絡ませたくらいのフレーバーだ。
色んなところで舌がコロコロ回転し、抑揚がほとんどない。
また よく喋る!!! 彼が話し出すと コーランの教えを説かれているかのように 口を挟む隙も
お手洗い行くすき もなく ひたすら聞くばかり。 合いの手を打つひまもない。
昨夜は日本料理のお店のカウンターで食事をしていると、少し遅れて タスマニアから来たという
家族4人連れが 隣に座った。
ミハッドさんの話に興味をそそられたのか、タスマニアのご主人が我々に話しかけてきた。
話好きのミハッドさんはいいチャンスとばかりにどんどん話し出す。
私はこの隙にどんどん食べ始めた。
一番端にすわっていた2人 ミハッドさんとタスマニアのご主人の声がどんどん大きくなり
会話も弾んでいたが、ミハッドさんが話す度に タスマニアの奥様の目はどんどん丸くなっていく。
最後に我々が先に席を立ったとき、奥さんはミハッドさんに 「あなたのアクセントはとってもチャーミング゙ね」
とおっしゃった。
彼 いわく 「私は英語を学校で習ったことはない。全て仕事を通して覚えた(彼のボスはアメリカ人)。
文法とか 発音とか考えなくても 必要な単語と基本的な表現さえ覚えればいい。
心を込めて話せばかならず通じる。 とにかく話して、 話して 何度も繰り返し 練習するすることだ」
そしてその後 彼は一人 夜のマーケット(男人街)へと消えていった。
|