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昨日 アンセンが "You teach me this."
といって 英語の教科書を私に差し出した。
”This book? What page?” とたずねると
"Here."と また英語で言った。
メイドさんとは英語で話しても、私とは決して話そうとしなかったのに、
彼の中で何がおこったのか。
アンセンが幼稚園に通うころまで、彼は私のことを少しバカにしていた。
それは私の広東語にクセがあるため、幼いアンセンにはわかりづらかったせいだ。
(このオバちゃんは広東語もまともに通じへんのか) ときっと思っていたに違いないのは
彼の表情から容易に想像できた。
しかし幼稚園にあがってしばらくすると、日本人の女の子のお友達ができた。
もちろんお互い上手くコミュニケーションができないのだが、そこは小さな子供同士
一緒に遊ぶのに問題はなかった。
が、幼稚園2年目の1月、その女の子が2ヵ月後の3月に日本へ帰ることがわかった。
どうにかして自分の気持ちを伝えたいアンセンだが、手立てがないことに焦っていた そんな時
ママのシェリーが 「なおこオバ゙ちゃんにお手紙書くのを手伝ってもらったら」 と 提案。
その時初めてアンセンは「オバちゃんはあの子と同じ日本人だったのか」と 再認識し
早速私に電話してきた。 次の日彼の家で一緒にお手紙を書いた。
私を見るアンセンの目は希望と尊敬に満ちていた。
それ以来私をバカにはしなくなったが、私がいくら英語で話しかけても
広東語でしか答えなかったのに、その日は急に英語で話しかけてきたので驚いた。
小学校入学以来英語の宿題を手伝ってきて私がもっと役に立つことがわかったため
(いつもうるさいからたまには英語で話してやるか)と思ったのか、
ただ単純に 英語で話すことに自信がついたのかな などと想像したりした。
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