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日本、時は戦後すぐのころです。
とあるクリーニング屋を営んでいる家族のお話。家族のために一生懸命仕事をし、裁縫をし、子供を寝かしつける”お母さん”の1シーン。
成瀬巳喜男監督の「おかあさん」という映画でございます。
1952年に撮られた白黒の映画をロンドンで見ることができました。

「おかあさん」監督:成瀬巳喜男 1952年
なんとも色のない映像というのは想像力が沸いてきます。
「派手な着物のほうが高く売れるわよ」と”お母さんに差し出した娘の柄の美しい着物が映しだされても、
「このスカーフ高いんだよ」と言って”お母さん”に文句を言うお客さんがもつ「高いスカーフ」も、
「スマートならくだ色に染めて欲しい」といつも難しい注文をするお客さんの帽子も、
全部色がわからないのです。それでも一つ一つの台詞で「あぁきっとこんな色なのね」と私の頭の中では私オリジナルのカラー映画になるのです。
そして、とってもシンプルな物語だからでしょうか、映画に出てくる人すべての背中がその人その人の人柄、立場、性格をくっきりと映し出しているのです。
背中とは面白いものですね。
今その人はどう思っているのか、感じているのか、背中をじっと見つめるとわかってしまうものなんですね。両親の愛情も「おんぶ」でじんわりと伝わりますものね。
そんなことを思わせてくれるとっても素敵な映画でした。
そして、まだ生まれていなくてもふすまや畳や日本語でなんとなく懐かしいと思った戦後日本の風景を100分見続けた後、その世界から出た先にはロンドンの象徴ビックベンが私の目に映りました。
そう私はロンドンにいたんですね。
しかしそろそろ私もロンドンに背中を見せて遠ざかる日が近づいてきました。
そしてここともです。
どうぞ最後までお付き合いくださいね。
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日本じゃないそこに住むことが出来たから、この映画で日本の色々な事を感じることが出来たんだね。
君は幸せものだ・・・。人生の幸せってそういう事を感じられることなのかな。