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英会話独学術:フォニックス~英語は発音より読み方を正しく!(メイン)
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フォニックスで即解決!英語発音疑問コーナー
Q:日本語には母音の数が5個しかなく、韓国語には11個、フランス語には16個もあり、子音の数も日本語は14個に対し英語は24個、そのため日本人は他の国の人達よりも外国語の発音が困難だとよく聞きますが、この認識は改めた方がよいということですか?
A: はい。ズバリ、改めた方がいいです。
● まず、英語と日本語を客観的に見れる中国人の、第二言語音声学・音韻論(つまり外国語の発音)が専門の教授に聞いてみましたが、ハッキリ改めた方がよいと言っていました。
又、私の中国人の友人で、英語と日本語を両方しゃべれる人がいますが、やはり英語と日本語の発音の難しさは同じくらいだと言ってました。
私自身も、一応音声学・音韻論をかじって、英語もone of the very few Japanese people who have good English pronunciationと一応専門家から言われた立場として見ると、別に英語の発音が日本語より複雑とは思いません。日本語の方が複雑とも思いません。
どの言語の発音が複雑か単純かというのを測るのは、要素が多すぎて(子音、母音、音同士の組み合わせ、長短の区別、音程の区別、鼻音の区別、その他色々)なかなか難しいですが、厳密に測ったら、本当に日本語の方が英語より単純かもしれないし、逆に英語の方が単純かもしれないし、今のところそういうデータが無いからわからないそうです。
● さてよく出てくる母音の数、子音の数。これほどうさんくさいものはありません。
金田一春彦「日本語」(1989)によれば、
英語の母音音素の数を多く見積もる人で16、少なく見積もる人で7、十人十色だとのことです。
一方日本語の母音には、長短の区別があるため、三省堂・言語学大辞典では、
日本語の母音音素を10としているといいます。
つまり、英語7個、日本語10個、と言っても間違いではありません。
一般に言われているうわさがまかり通るなら、逆に7-10で日本語の方が複雑ということだってできてしまうわけです。
子音も同様。人によって定義がまちまちです。
14前後という数は、平安時代に作られた五十音図ベース、又は動詞などの活用語尾ベースで、統語論その他の話をする時には、使い勝手の良い分け方ですが、こと第二言語音声学・音韻論の話となると、14では色々と問題が出てくるので、今後のこの分野の課題だと思われます。
多く見積もれば、硬口蓋化やさらには長子音も1つの子音とカウントすれば、数を40、50にすることもできるでしょう。それはそれで見づらくなるので問題ですが、
子音は英語20くらい、日本語50くらい。と言うことだっていくらでもできるわけです。
また、14と言うなら、硬口蓋化、つまりいわゆる拗音と直音の対立(例えば「きゃ」と「か」、「りゃ」と「ら」)はどう説明するのでしょう?音素記号では、/ky/ /ry/ と書くから2つの子音の組み合わせと考えますか?その場合、よく「日本語には複雑な子音(二重子音等)が語頭に立たない」という話と矛盾しませんか?
14と言うのなら、拗音と直音の対立があり、長子音、つまりいわゆる促音(「いた」と「いった」等)があること等の説明をしなければなりません。
このようなことを全く考慮せず、「14-24、だから日本語は単純」等と言うのは、「イチローは松井に比べてホームラン数が断然少ない。だからイチローはダメな選手だ。」と言っているくらいグロテスクに聞こえるのです。
つまり、音の数などは、定義の仕方でいくらでも都合の良いように変えられるのです。
最大見積の外国語 vs. 最小見積の日本語 という単純なトリックです。
そもそもこのように説明する人達は、もし英語も日本語も両方発音できるのなら、自分で発音していて「この数字は何かおかしいぞ?」という疑問を持たないのでしょうか?
● 当然、子音の数、母音の数だけが全てではありませんし、数が多い=難しいという短絡的な発想も見直したほうがいいでしょう。
例えば日本語には、「はしが」でも、「箸が」「橋が」「端が」で3つともトーンが違うわけです。このピッチアクセントシステムを日本語は持っていることを忘れてはいけません。
又、第二言語習得で忘れてはいけないのは、有標性です。有標とは、より複雑、よる難しい、より一般的じゃない、ということです。
各音や構成は、それぞれ難易度が違います。例えば英語の[f]の発音は、日本語にはありませんが、わりと誰でも簡単に発音できます。それは日本語にはファ行があり、ファ行の子音は英語のfより有標(難しい)とされているからです。たとえ日本語にないものでも、有標性の低いものは、習得がそれほど困難ではありません。
「この音は日本語に無いから難しい」と簡単に考える方法は、もう時代遅れなのです。
● もう1つ、たまに周波数うんぬんの範囲が日本語は狭いとか低いとかで、そのために日本人は外国語の音を聞き取れないとかなんとかいう話も聞きますが、これがまたうさんくさいのです。
私ももちろん一応仕事で周波数を分析したりしますが、本当にパスバンドのレンジが低いことが、日本人が外国語の発音が苦手な原因だという証拠を、少なくとも私は知りません。
この数値は、単に子音をよく使うか、母音をよく使うか、といった「スタイルの違い」でしかありません。「バスケットボールで、センターはたいていゴール下にいる。ガードはたいていもっと外にいる。だからガードはセンターよりはるかに優れている。」と言ったら、全く意味がわかりませんね。
「周波数」という専門用語に惑わされてはいけません。
● また大事なことは、発音に限らず「指導」の面でこれらの説は問題がある気がします。
☆ 教える時に、専門用語や社内用語を使うと、生徒さんは混乱する。
☆ 「日本人はできないできない」とネガティブな暗示をかけられ、生徒さんはできるものもできなくなってしまう。
(☆ 場合によっては、このような発音の説明をしている人自身が、全然発音できず、単に自分の練習不足でできないことを、もっともらしい理屈を並べて言い訳しているだけのサイトも見受けられる。)
このような指導法は、少なくとも私が今まで多少なりとも関わってきた、音楽とスポーツの指導では見られません。発音教育に限ったことでしょうか??
今日のおさらい
日本語の発音が単純という科学的証拠は、
少なくとも今の時点ではどこにもない。
子音・母音の数は全くあてにならない。
周波数云々の話はもっとあてにならない。
数字だけが複雑さではない。
日本語にない音=難しい、という考え方は
もはや時代遅れ。
日本の発音教育は指導法として疑問が残る。
と、突然1サイトで書かれている記事を読んだ所で、多くの人に根深く信じられている噂をウソだときっぱり割り切ることも難しいでしょう。
私自身もこの噂の詳しい内容や元をもっとよく知りたいので、気軽にコメントして下さい。
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